今日も楽しく生きるぞ宣言

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【読書記録5】「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」ハンス・ロスリング

少し前から話題の本、漸く読んでみました。

冒頭の著者の剣飲みのエピソードがお茶目でそのお人柄がわかりとても好きです。データと共に実体験の例が随所にちりばめられており、大変興味深く読み進めました。

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【5冊目】FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

著者

ハンス・ロスリング

目次

イントロダクション

第1章 分断本能 「世界は分断されている」という思い込み

第2章 ネガティブ本能 「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み

第3章 直線本能 「世界の人口はひたすら増える」という思い込み

第4章 恐怖本能 「実は危険でないことを恐ろしい」と考えてしまう思い込み

第5章 過大視本能 「目の前の数字がいちばん重要」という思い込み

第6章 パターン化本能 「ひとつの例にすべてがあてはまる」という思い込み

第7章 宿命本能 「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み

第8章 単純化本能 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み

第9章 犯人捜し本能 「だれかを責めれば物事は解決する」という思い込み

第10章  焦り本能 「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み

第11章  ファクトフルネスを実践しよう

おわりに

 

感想

ほとんどの人が、世界は実際よりも強く、暴力的で、残酷だと考えているそうです。そういった考え方を本書では「ドラマチックすぎる世界の見方」としています。
本書で紹介する「ファクトフルネス」という習慣を毎日の生活に取り入れていけばドラマチックすぎる世界の見方をしなくなり、事実に基づく世界の見方ができるようになり、たくさん勉強しなくても世界を正しく見られるようになり、判断力が上がり、何を恐れ何に希望を持てば良いのかを見極められるようになると述べられています。
 

私レベルのドラマチックすぎる世界の見方

「ドラマチックすぎる世界の見方」これを、ぐっと低く、私レベルにまで落としてみても、身近な経験で思い当たることがあります。2つ例として記録します。
中学生のとき出会ったアメリカ人講師

中学生の時の英語の授業で、アメリカ人の男性講師が特別講師として1週間だけ、スピーキングの講師としてやってきました。

その講師は英語で簡単な質問をし、私たちが英語で答えを述べると言う授業を行いました。私が指名されて答えた質問はこうでした。

「世界から戦争がなくなる日が来ると思いますか?」

私は迷わず「イエス」と答えました。するとその講師はびっくりしたような、あざけ笑うような表情をして、「本当に?本当にそう思う?」と聞きました。私は再び「イエス」とだけ答えました。私は、「少なくともそう信じたほうがいいと思う」と付け加えましたが、その講師は肩をすくめて苦笑し、次の質問に移りました。英語の苦手なクラスメイトから、「さっきは何を話してたの?!」と興味津々に聞かれたことを覚えています。

 中学生ながらに、日本人の平和ボケに思うところがあったんだろうなということは理解しました。そして、日本で育った私とは違う教育を受け様々な経験をしてきた結果、「戦争はなくなる」と信じている中学生に対して複雑な感情を抱いたんだろうと想像します。

「世界はどんどん悪くなっている」と思うことは、本書で言う「ネガティブ本能」から来るものだそうです。実際には戦争や紛争で亡くなる人の数、犯罪の数なども減り続けていることが紹介されています。

ママ友への印象

さらに地に着くほど視点を低くすると、もう一つは「ママ友」というワードに対する私の周りの人々の印象です。

多くの新米ママたち、もしくはプレママたち、さらに言うとママ友から全く関係のない立場にいる人たちが、ママ友という存在を過剰に怖がったり、馬鹿にしたりする傾向があるように思います。私も実際に子供を持つ前は、若干ママ友という響きにネガティブなイメージを持っていました。実際にママ友を作ってみると、ちょっとおかしいママ友、怖いボスママ、非常識なママ友も今のところ私の周りには存在しません。もちろん全員が完璧な優秀ママではないでしょうが、いいところも悪いところもあってお互い様。
きっと探せばヤバいママもいるのでしょう。ママ友いじめなども確かに存在するのだと思います。それは学生時代のクラスにいたそういったものの割合や、会社の同僚の中での割合と比べて果たしてそんなに大きな差があるのでしょうか。狭い世界で子供の手前付き合わざるを得ないという事情を考慮しても、あまりにもネガティブイメージが定着しているような気がします。
これは「分断本能」「ネガティブ本能」と関係が深そうですが、個人的には「パターン化本能」による思い込みが一番関係しているのかもしれないと思いました。
「パターン化本能」とは例えば人の行動の差の理由を、国や文化や宗教の違いと考えていたら、実は所得の違いであったというような間違った分類での思い込みです。
視聴者の本能を利用した報道

本書に出てくる10個の本能により、私たちは日々様々な思い込みをしがちです。特にわかりやすいものの1つが、ネガティブな情報に対して非常に敏感であるネガティブ本能であり、そういった情報ばかりが耳に入りやすくなっているということです。自ら進んでネガティブなニュースを取り込んでしまうことが癖になっている人も多いかと思います。

最近では私を含めあまり見る人も少なくなってきていると思いますが、特にテレビの報道番組では、視聴者のネガティブ本能を利用し、心を乱すような嫌なニュースを感情たっぷりに繰り返し放送しています。これはテレビの視聴率を上げるため、スポンサーに応えるため、個人的にはある意味仕方のないことなのかなと思います。

いろいろな情報が入手できる現代、大切なのはどんな情報を選び取るかということ、そして本書で言う「事実に基づく世界の見方ができるようになる」ことだと考えさせられました。